こんにちは。
今朝のラジオの話題は、「夏休みを振り返って」でした。
ゲストは、こんなことを言っていました。
「夏休みの始まりに、一日の予定を円グラフに書かされるでしょ。
良い夏休みにしようとして、休み前は立派な計画を書くんだよね。
でも、予定通りに行くはずはなくて、夜は寝ないし朝は起きないし勉強も手伝いもしないし」
日本全国、9割の子どもはゲストの話に共感すると思いました。
なぜ一日の予定を書く際に、円グラフを使わせるのか?
なぜ、帯グラフじゃダメなのか?
ということです。
以下は、少数派の帯グラフ画像です。
今日のブログ概要
時間とは、本来どういったものでしょうか?
夜中の12時を過ぎたら、午前1時につながっているものでしょうか?
それとも、夜中の12時を過ぎたら新たな1日が始まるので、夜中の12時と午前1時とはつながっていないのでしょうか?
ちょっと哲学的(?)でしょうかねえ。
朝礼スピーチで哲学的なことを、換言しますと本質的なことを語るときには、誰もが共有できる日常的な話を最初に語ることが必要となります。
その方が、聞き手が理解しやすいですから。
「時間とはどういうものか」をグラフから考える
昨日と今日と明日は、切れ目なくつながっているものでしょうか?
「つながっているに決まっているじゃないか」
と言われそうですね。
しかし、お寺の掲示板には、しばしば次のような言葉が張り出されています。
『昨日は過ぎ去ったからもうない。
明日はまだ来ていないからない。
確かにあるのは、今日だけ。
過去を悔んだり明日を心配せず、
今日だけを大切に生きよう』
この標語の根本には、
「時間というものは切れ目なくつながっているのではなく、刹那・刹那の連続である」
という思想があるのではないかと考えます。
もう一度、円グラフを見ましょう。
一日の円グラフではありますが、右回りに時間がつながっていて何日も同じことが続くように感じます。
ということは、夏休みの初日から最終日までがつながっているのです。
初日から最終日に向けて、一方方向の時間の流れに巻き込まれているかのようです。
一方の帯グラフ。
グラフの上では、
一日の始まりは夜中の0時、
一日の終わりは夜中の12時。
夜中の0時と夜中の12時は、左右でスパッと切れていますね。
つまり、一日一日が独立しているのです。
昨日と今日と明日は、それぞれが独立した一日なのです。
この意味では、ある日の帯グラフとある日の帯グラフを入れ替えても、一日は成立します。
グラフが、子どもの時間感覚に影響を与えている
使用するグラフが円グラフか帯グラフかによって、子どもが抱く時間感覚が異なってくると思います。
円グラフを使用することによって、
「時間というものは、切れ間なく連続してつながっている」
と子供たちが刷り込まれていると推測します。
さて、50年前は右利きの文房具ばかりで、左利きの子どもは不便でした。
例えば、ハサミは左利きの子どもにとってとても使いにくかったと思います。
ハサミはたかが道具です。
切るという目的さえかなえば、道具は手段にしか過ぎません。
しかし、この道具によって「右利きが普通で、左利きは例外」という感覚が刷り込まれてきたように思います。
グラフもハサミと同様です。
一日の予定を記す道具・手段にすぎないグラフ。
しかし、「円グラフであろうが、帯グラフであろうが目的さえかなえば、どちらを使っても同じだ」という発想は乱暴のように思います。
知らぬうちに思い込まされていること、
発想が固定化しているってこと、
多いですね。
科学的な検証結果を見たことがないので、私の独りよがりかもしれませんが。
余計なことながら・・・
キリスト教文化圏の時間概念は過去から未来へと連続して一直線に流れ、一方仏教文化圏は刹那の繰り返しだと考えます。
円グラフはキリスト教文化圏の考え方に、帯グラフは仏教文化圏の考え方に近いと思いました。
朝礼スピーチで、哲学的なことを語る場合の注意
哲学的な事柄は、人によって意見が異なります。
したがって、断定的な言い方は避けた方が良いです。
「〇〇に決まっている」、
「みんな〇〇と考えている」、
「〇〇すべきだ」
と言った言葉です。
「いろいろな考え方があって当然ですが、」
「科学的にはどうかはわかりませんが、」
「日本中(世界中)が、〇〇かどうかはわかりませんが、」
「間違っているかもしれませんが、」
「私の独りよがりかもしれませんが、」
といった前置き(クッション言葉)があると柔らかくなっていいですね。
もう一点。
哲学的な事柄は、話す内容と言葉が抽象的になりがちです。
聞き手に理解されにくいです。
しかがって、どなたでも体験がある日常的な事柄を例示すると良いです。
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