京都の伝統産業の一つに、菓子と茶と酒造があります。
いずれも、包装や容器に包まれています。
比較的小さなものを包むものがパッケージです。
菓子、茶、酒のデザインが大きく変化しました。
皆さんの中には、京都土産を選ぶ際に、
京都らしいデザインのパッケージに見張る方もいらっしゃることでしょう。
伝統的なイメージを維持しながらも、
「形」「色」「素材」においてパッケージは大きな変化を遂げています。
お香一つ取り上げても、かつては匂い袋中心でしたが、今は棒状のお香が中心となり、筒状のパッケージがメインです。
菓子やお酒のパッケージもずいぶん変化しましたね。
(画像引用:お香の製造販売店(松栄堂))
京都にはパッケージ専門デザイン会社があります。
お客さまがお土産を選ぶ際、どんなデザインのパッケージを選ばれるでしょうか?
目立つ・美しい・綺麗・素材が手になじむ・持ちやすい、、、、。
幾つもの観点がありますね。
京都のデザインは、いわゆる「目立つ」「カッコいい」を狙うだけではありません。
「京都らしい」という一線を崩しません。
これが京都ブランドを守ることにつながっています。
「この色合いがやっぱり京都だ」
「この素材、京都を感じる」
「曲線の形が京都らしい」
このような感覚で商品を選んでいただけるようにパッケージをデザインしています。
(画像引用:久在屋 豆腐)

このセンスは一長一短ではできません。
長い時代の美に対する蓄積と職人さんを主とする技の蓄積があってこそのものです。
また、京都ならではの進取と自由の精神、東京に対する在野精神が官学にあったからこそ、
京都が持つ伝統を産業に活かす素地が役立ったと思います。
話は変わりますが、薬・化粧品もパッケージを重視する商品ですね。
地場産業として長年製造に携わった地域には、商品と法律に即したデザインのノウハウが詰まっているものです。
パッケージの意味は?
パッケージは中身を覆うものです。
けっして中身そのものではありません。
しかし、器が料理への期待感を持たせるのと同様に、
パッケージによって中身が想起され、中身への期待が膨れ上がることがあります。
(画像引用 宮井 ふろしき)
パッケージ倒れに終わらないために
時にデザイナーは、顧客と直接会うことなく、自社の営業からの情報を基にデザインをすることがあります。
これは、仕事効率のためでもありますが、むしろデザイナーが内向きになっていることから起こることが多いです。
デザイナーは、部屋の閉じこもることなく、顧客企業に出向き、商品の性質をしってほしいです。
むしろ、顧客に対し販売戦略/商品企画を提案するくらいの志が欲しいものです。
今日のカクテル
「パッケージ」
・ウオッカ・・・・・・・55ml
・ウイスキーボンボン・・1個