83.医学部の授業に「臨床コミュニケーション」を開設してほしい。

83.医学部の授業に「臨床コミュニケーション」を開設してほしい。

こんにちは。

 

今回は、医師が患者に投げかける言葉遣いをもとに、医学部に開設してほしい授業科目について記します。

 

 

 

 

【目次】

1.「これからの治療、どうしますか?」の謎???

2.医師の頭の中を推測しました。

3.医師の会話力を向上させるために必要な方策。

【京都大学医学部に「臨床コミュニケーション」科目があった!  (追記 20220628)】

4.大学1・2年生の教育にも模擬患者が活躍!その背景と効果を解説

5.朝礼に活かす。

6.今までの投稿一覧です。

 

 

 

1.「これからの治療、どうしますか?」の謎???

 

 

先日、高齢の家族の通院に同伴しました。

 

診察室に入りましたところ、先生は開口一番、

「これからの治療、どうしますか?」。

一瞬、どういう意味で先生が仰っているのか分からず面くらいましたが、

「今まで通り治療を続けてください」と返答しました。

「はい、では今まで通り投薬をします」と先生。

 

 

 

 

診療室を出て、急に不安になりました。

「これからの治療、どうしますか?」とは、どういう意味で発せられた言葉だったのだろうか?

 

あとで私が自分なりに想像した、先生の発言の意味は、

1.投薬だけの治療では症状が改善しないから、治療方法を変えますか?

2.治療しても改善しない病気だから治療を続ける意味がないが、これからも治療を続けますか?

 

もしも1番の意味ならば、私どもは医療についての素人ですから「どんな治療が良いのか」の知識がなく、判断できません。

2番の意味ならば、「この病気は治療しても改善しない」という事実をまずは説明してほしいです。

いずれにせよ、「これからの治療、どうされますか?」だけでは、何を仰りたいのか分かりかねます。

 

 

 

 

 

2.医師の頭の中を推測しました。

 

 

見方を変えて、先生の頭の中を推測しますと、

先生には医学の知識・臨床体験があり、患者の症状を診た結果、「これからの治療、どうされますか?」という結論の質問内容が冒頭に発せられたのかもしれません。

先生の頭の中では、これらの筋道が出来上がっていて、最後の結果である質問のみが発せられたのでしょう。

 

 

でも、聞く側の私たち家族にとっては、この発言だけでは豆鉄砲を食らってしまいます。

 

ここで、ふと思いましたことがあります。

 

それは、私も職場の同僚や顧客にとっては、先生と同じような言葉遣い、すなわち経過と背景を言わずに結論のみを伝えているのではないか。

同様に家族に対しも、事実の説明と対処法の可能性を省略し、結論のみを語っているのではないかということです。

これでは、私が伝えたかった意味が同僚・顧客・家族に伝わるはずがありませんね。

 

 

 

 

3.医師の会話力を向上させるために必要な方策。

 

 

さて、元の話に戻ります。

医師と患者とのコミュニカ―ションが適切にとられるならば、患者のとっても医師にとってもメリットが大きいです。

医師以外の職業でしたら、顧客とのコミュニケーションの取り方は上司や同僚などから時には叱られながらも学ぶ機会が多いです。

しかし、大病院であれ個人経営の医院であれ、診察室である臨床の場には一人の医師しかいませんので、コミュニケーション方法に難があっても誰からもアドバイスされることはないままでしょう。

このことは、医師にとって残念な環境だと思います。

 

ならば、どうしたら良いのか?

 

コミュニケーション関係の科目と実技演習が、大学医学部の正規のカリキュラムとして開設されていると良いと思います。

 

 

 

 

そこで、会話方法の授業が医学部にあるかを調べました。

しかし、科目名称は検索できるのですが、具体的なシラバス(授業内容)を検索することが困難でありました。

 

東京大学の例を挙げます。

(参考→「東京大学医学部医学科開校科目」

 

患者との会話に活かせる「臨床コミュニケーション」「会話学」といった独立した科目を見つけることはできませんでした。

「医学英語」という科目がありましたので、「医学会話」のような科目名が記載されていないかと期待しましたが、見つけることはできませんでした。

もしかしますと、「チュートリアル」「社会医学」「基礎臨床社会医学統合講義」と名付けられた科目の中でコミュニケーションを学ぶ機会があるのかもしれませんが、定かではありません。

このことは、患者にとってはもちろんでありますが、医師にとっても残念なことです。

 

 

(画像引用:「東京大学医学部医学科開校科目」を加工)

 

 

 

比較参考として、富山大学医学部を調べました。→サイト「富山大学医学部規則(解説科目付き)」

「基本的な資質・能力」群(1年)または「診療の基本」群(1~2年)の中に、「臨床コミュニケーション」を新設できると思いました。

 

 

【京都大学医学部に「臨床コミュニケーション」科目があった!  (追記 20220628)】

 

追記失礼します。

知人から情報が届きました。

なんと、京都大学医学部のカリキュラムに「臨床コミュニケーション」が開設されていました。

 

 

拡大→「臨床コミュケーション論1」

 

 

拡大→「臨床コミュニケーション論2」

 

 

「授業外学習」の欄に、次の説明がありました。

「復習の際には,講義において学んだコミュニケーションの知識やスキルについて、実際に学生間で演習してみることを強く薦める。」

これが大切!

科目内授業だけではなく、演習科目としても正規の科目になればと思いました。

 

 

 

4.「大学1・2年生の教育にも模擬患者が活躍!その背景と効果を解説」の記事

 

 

 

大学のサイトではありませんが、コミュニケーションに関する授業の記事を見つけましたので、以下に記します。

この記事によりますと、医学部生が模擬患者と対面する機会はあるようです。

 

 

大学1・2年生の教育にも模擬患者が活躍!その背景と効果を解説

 

 

前述と重複しますが、「独立した科目」としてコミュニケーションに関する授業が開設されればと願います。

さらに踏み込むならば、医学教育が網羅する領域の中に、臨床コミュニケーション分野を加えていただきたいです。

(まずは、テクニックとしての会話方法レベルだけでも結構ですので)

 

 

 

5.朝礼に活かす。

 

 

自社のサービス内容や提供する商品について、顧客に示している全てのものをご覧になってください。

商品説明書、ホームページ、チラシ、、、、などあらゆるものです。

顧客にとって分かりやすい内容になっているかを点検することをおススメします。

朝礼では、具体的な例を挙げて、分かりにくい点と改善点をセットで語ってください。

社内の特定の部署の批判になりそうでマズイとお感じでしたら、他社のサービスや商品で分かりにくい点を挙げると良いかと思います。

 

 

 

 

6.今までの投稿一覧です。

 

トップ画面(最新ブログ)は、こちらです。→ 「昭和オジサンが謎を基に、スピーチのネタをアドバイス」

 

83.医学部の授業に「臨床コミュニケーション」を開設してほしい。

82.川に落ちる人。

81.「俺ら東京さ行ぐだ」。吉幾三さんの歌詞と1968年の地方を比べた(2022年3月17日)

80.虚無感から脱け出るヒントとなる映画(2022年3月14日)

79.クラシックスターが現代にやって来る。 ヤァ! ヤァ! ヤァ!(2022年3月11日)

78.引きこもる力(2022年3月7日)

77.カーリング女子報道について(2022年2月21日)

76.ソフホーズとコルホーズ(ソ連の農場形態)を覚えていますか?(2022年2月17日)

75.若者言葉から現代を知る。2022年2月15日

74.将棋棋士とプロ野球選手の年俸2022年2月9日

73.「空想地図」からマーケティングのヒントを得る2021年11月22日

72.電波時計の仕組みを利用して新たな利用方法を考える2021年11月4日

71.遠距離恋愛が、昔は困難だった理由2021年10月8日

70.映画から、どんな季節が思い浮かびますか? 

69.地名が季語になったらいいな。物でも人でも季語にしてみよう。 

68.九九の話 お願いがあります。 

67.日本の大きさに驚いた。 

66.古典(例えば徒然草)をスピーチに 

65.エスニックジョークをスピーチに使ってみましょう。 

64.用途という判断基準を捨てて、自社の商品・サービスのカテゴリーを見直すスピーチを! 

63.小道具を使って、スピーチを行う・・・週刊文春がつい気になります 

62.お好きな歌詞や詩でスピーチを。オードリー・タンさんと福島の若者との交流を例に。 

61.地域の魅力ランキングを「スピーチ」で語る 

60.言語を例に:思い込みを捨ててみると真実が見えてくる。 

59.「化」を付ける面白さ 

58.ぴえん・・・新語2020 

57.「釣り」の新しい意味 

56.何かを介在させて、人とコミュニケーションを持つ。「スピーチのネタ」 

55.累進課税と似ていることを日常から探す。「スピーチのネタ」 

54.ラグビーワールドカップならば試合以外を書く。「スピーチのネタ」 

53.自分の匂いに気づけないのはどうして? 「スピーチのネタ」 

52.円グラフと帯グラフの時間(前ブログの続き) 

51.円グラフ派? 帯グラフ派? スピーチのネタ「哲学的なことを語るとき」  

50.居酒屋一軒分の予算は? スピーチのネタ「金銭に関する事柄は注意!」 

49.恋は不思議♪ 朝礼スピーチのコツ「個人的な不思議・疑問を語る」 

48.オリンピック・パラリンピック 朝礼スピーチのコツ「数字を添えて」 

47.映画『ジョン・ウイック』のキメ方 スピーチのコツ「聞き手に負担を与えない」 

46.髪型の強制は嫌だ! スピーチのコツ「マイナス言葉で締めない」 

45.宇宙人ジョーンズの地球調査 スピーチのネタ「宇宙人になってみる」 

44.お尻も洗ってほしい スピーチのネタ「宣伝コピーをヒントに」 

43.1秒とは? スピーチのネタ「同じ1秒でも場面によって人によって価値が異なる」  

42.今すぐにでも実現する夢 スピーチのネタ「夢を2種類つくる」  

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36.東京ドーム〇個分の例え スピーチのネタ「比較するときは原点を明確に」 

35.神は細部に宿る スピーチのネタ「小さなことに心を込める」 

34.野球を絵画で観る スピーチのネタ「人によって、何ごとも違って見える」 

33.今どきの教科書 スピーチのネタ「自分の過去と現代との比較」 

32.今日からスマホ、デビュー  スピーチのネタ「相手の関心事に絞って話す」 

31.PC履歴の削除 スピーチのネタ「捨て去り、最後に残ったもの」 

30.ハンドルを握る位置  スピーチのネタ「思い込みに気付いたら」 

29.身長の差 スピーチのネタ「キリンと猫の視点」 

28.本当にそうだろうか?  スピーチのネタ「平穏な日常を疑ってみる」 

27.数字の便利な読み方 スピーチのネタ「大きな数字は、身近なものに置き換えて」 

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24.英単語が聞き取れた! 今日のカクテル「2020東京オリンピック」 

23.音が撮れるチェキの技術を現場に応用したい 今日のカクテル「魔法」 

22.京都の「田の字」エリア  

21.伝統産業とパッケージ 今日のカクテル「パッケージ」 

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14.思春期に自分を支えてくれた本 今日のカクテル「思春期」

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11.見たい夢を見る方法 今日のカクテル「夢の中で」

10.寝酒の効用  今日のカクテル「一日の終わりに」

9.お酒とウコン 今日のカクテル「ウコンさま」

8.国の借金が1103兆円(国民一人当たり約874万円) 今日のカクテル「計算と名称のトリック」

7.半額に惹かれますか? 今日のカクテル「ブランド」

6.エスカレーター、歩きますか? 今日のカクテル「セッカチ」

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4.日本の一番長い数日間 今日のカクテル「労働」

3.開店寿司は、右回り? 今日のカクテル「お寿司」

2.悩ましい、ドリンクの値段設定 今日のカクテル「プライス」

1.世界には不思議がたくさんある! 今日のカクテル「ザ・格言」