■『でんでん虫の悲しみ』(新美南吉) 今日のカクテル「悲しみ」

■『でんでん虫の悲しみ』(新美南吉) 今日のカクテル「悲しみ」

今回は、でんでん虫のお話です。

「Escargot」です。
フランス語は「t」を発音しないので、エスカルゴ。

私は食べたことがありませんが、美味しいのでしょうか?

人気がありましたら、メニューに加えてもいいかなと思いました。

 

『でんでん虫の悲しみ』(新美南吉)

 

『でんでん虫の悲しみ』という童話があります。

全文を記します(表記は原文から変えました)。

 

 

一匹のでんでん虫がありました。
ある日、そのでんでん虫は大変なことに気がつきました。
「私は今までうっかりしていたけれど、私の背中の殻の中には悲しみがいっぱい詰まっているではないか」
この悲しみはどうしたらよいでしょう。

でんでん虫は、お友だちのでんでん虫のところにやってきました。
「私はもう生きていられません」
とそのでんでん虫はお友だちに言いました。

「何ですか」
とお友だちのでんでん虫は聞きました。

「私はなんという不幸せな者でしょう。私の背中の殻の中には悲しみがいっぱい 詰まっているのです」
と初めのでんでん虫が話しました。

すると、お友だちのでんでん虫は言いました。
「あなたばかりではありません。私の背中にも悲しみはいっぱいです。」

それじゃ仕方ないと思って、初めのでんでん虫は、別のお友だちのところへ行きました。

すると、そのお友だちも言いました。
「あなたばかりじゃありません。私の背中にも悲しみはいっぱいです」

そこで、初めのでんでん虫はまた別のお友だちのところへ行きました。
こうして、お友だちを順々に訪ねていきましたが、どのお友だちも同じことを言うのでありました。

とうとう、初めのでんでん虫は気がつきました。

「悲しみは誰でも持っているのだ。私ばかりではないのだ。私は私の悲しみをこらえて生きなきゃならない」
そして、このでんでん虫は、もう嘆くのを止めたのであります。

 

いかがでしたか?

 

誰しも悲しみを背負っている

 

悩みや悲しみや怒りや不安が自分の心を占めてしまって、

「もうだめだ」とつぶやきそうなときがあります。

 

 

 

そんなときほど周りが見えずに、

「自分だけがこの悲しみを持っているんだ」

と、いよいよ辛くなります。

 

でも、「でんでん虫の悲しみ」を読みますと、

だれでも悲しみを背負って生きているということが想像できます。

 

「自分一人だけ」から「誰でも皆同じく」という発想に変えるだけで、

悲しみが少しだけ小さくなり安心感が芽生えます。

 

そして、

「自分だけじゃないんだから、自分の悲しみにおぼれずに、悲しみを背負って生き抜くんだ」

という勇気が湧いてきます。

 

悲しい事実はなくならないから「受け止め」、

悲しい心からは逃げようがないから「受け入れ」、

人からの心ない言動は「受け流す」くらいがいいのかなと思います。

 

 

今日のカクテル

 

「悲しみ」

 

・シャトレーゼのグリーン・・・・60ml

・「でんでん虫の悲しみ」を読みながら、ミントの葉っぱを噛む。

・少し心が落ち着いたならば、中島みゆきの「ファイト」を聴いても良いかな。